吃音(どもり)をテーマにした漫画をご存知ですか?

前回は吃音症の芸能人とは?について書きました。昔は吃音で悩んでいた方が、今は芸能界でたくさん活躍されていましたね。吃音症だからといって人前に出る事を諦めてはいけません。芸能界で活躍されている方の考え方や経緯を参考にし、自分自身と向き合って上手く吃音と付き合っていきましょう。

さて、そんな吃音症をテーマにした漫画があることをあなたはご存知ですか?漫画なので年代、性別問わず誰でも読みやすい物でしょう。そんな吃音をテーマにした漫画の内容、気になりませんか?今回は吃音をテーマにした漫画とは?作者とは?何を語りかけるのか、について書いていきます。

吃音(どもり)の漫画

漫画の内容を知っている人にも、知らない人にもこの漫画を通じて吃音症について考えるきっかけになれば嬉しいです。

吃音(どもり)をテーマにした漫画は?

題名は「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」という作品で、作者は押見修造氏です。2011年12月にウェブマガジンにて全11話で連載されました。単行本でも全1巻で出版されています。

主人公は大島志乃、吃音症に悩む高校1年生。漫画の冒頭は、新学期ということで担任の先生から自己紹介をするように言われるシーンからです。志乃ちゃんは、自分の名前が言えません。

みんなの視線が集まってきて、自分の名前を言おうとすればするほど顔に力が入ってしまい名前が言えません。

「お、お、お、」とどもっていると担任の先生から「何してるんですか?ふざけてないで!」と言われてしまいます。急いで名前を言おうとしますが、余計にどもってしまい最後にはクラスメイトから爆笑されてしまうのです。

志乃ちゃんは新生活のスタートからとても辛い思いをしてしまいます。そんな志乃ちゃんも高校に入って初めて友達ができました。その友達と不器用ながらも頑張ってコミュニケーションをとっていく青春ストーリーとなっています。

 

作者は押見修造氏

作者の押見修造氏は1981年生まれの35歳。2003年にヤングマガジンにて漫画家デビューされています。数々の作品を描かれており、テレビアニメ化や映画化された作品もあります。

そんな押見氏ですが、実は彼自身も吃音で悩んだ過去があるそうです。これは「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」のあとがきで書かれています。吃音で周りから笑われたり、ふざけていると思われたりしたそうです。一番辛かった経験は自己紹介で、相手の心配そうな顔や不審の目を見ると逃げ出したくなったそうです。

しかし押見氏にとって吃音は悪いことばかりではなかったようです。あとがきには“相手の気持ちにすごく敏感になれたこと。相手の表情や仕草から感情を読み取る能力が発達しました。これは漫画を描くときにとても役立っています。

二つ目は、上手く話せずため込んでいた想いをマンガという形で爆発させることができたことです。つまり僕は吃音じゃなかったら、漫画家にはなれていなかったかもしれません。”と書かれています。押見氏にとって、吃音症で経験した辛い思いも漫画家としてのお仕事に役立っているのですね。

 

この物語は何を語りかける?

この漫画の主人公、志乃ちゃんは作品の最後で吃音症や内向的な性格と向き合いある結論を出します。志乃ちゃんが少し成長した場面に描かれています。作者は吃音症や自分の性格にきちんと向き合い、自分なりに結論を出せばいいんだよ。と、いうことを語り掛けているのではないでしょうか。

また、これは吃音症に限ったことではありません。青春時代に誰でも経験する自分のコンプレックスや悩みについても、正面から向き合い自分なりの結論を出してみましょう。結論に正解はありません。自分自身を見つめ直し、自分なりの答えでいいと思います。

さいごに

さて、吃音をテーマにした漫画は?について書きましたがいかがでしたか?改めて吃音症について考えるきっかけとなる作品です。また、吃音症だけでなく自分のコンプレックスで悩んでいる方の結論を出すのに手助けとなる作品だと思います。気になる方は一度、読んでみて下さいね。

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