前回は自分でできる吃音チェック法について書きました。ちなみに前回の記事はコチラです。今すぐできるセルフチェックなので気軽に試してみてください。吃音で悩んでいる方は決して大人だけではありません。
幼児のうちから吃音の症状が出て、悩んでいる親もみえるかと思います。今回は幼児の吃音の特徴や、幼児のうちからできる事、親が気を付ける事について書いていきます。身近に吃音症状のある子供がいる方は参考にしてみて下さいね。
幼児の吃音(どもり)の特徴とは?
言葉を少しずつ覚え始め、カタコトだけど喋りだした我が子はとても可愛く愛おしいですね。幼児の頃は誰でも上手く言葉が出てこず「あ、あ、あのね」などどもってしまう事も多いかと思います。言語能力が発達していく成長過程のひとつなので、心配はいりません。
しかしごく稀に吃音の初期症状の可能性もあるのです。2語文以上の言葉を話し出す2歳~5歳で症状が出てくることが多く、その70%は自然に治るといわれています。
ただし中には吃音の症状が重くなり専門の医療機関での治療や自宅治療が必要になる場合もあります。
幼児の吃音症状は大人と変わりありません。前回の吃音とは?という記事で書いた
- 繰り返し型の吃音
- 引き伸ばし型の吃音
- ブロック型の吃音
に分ける事ができます。もし我が子がどもっている事に気が付いたら少し様子をみてあげて下さい。どんな吃音の症状なのか、月日が経ち自然に治っていくのか、それとも症状が重くなるにつれ話す事に恐怖心を抱いてないかなど気にしてあげて下さい。
幼児のうちにできることは!?
吃音は70%が自然に治るといわれていますが、症状が重度になり吃音が固定化されると話し方のクセとして脳と体が覚えてしまい自然には治りにくくなるのも確かです。幼児のうちから出来る事がいくつかあるので紹介しますね。
- 周りが吃音を指摘せず、気にしない
- 話を最後まで聞いてあげる
- 心境の変化に気付いてあげる
詳しくみていきましょう。
1 周りが吃音を指摘せず、気にしない
吃音は指摘されたり、言い直しを要求されたりすると余計に重度になるケースがあります。幼児の頃は本人もそれほど気にしていないのに、自分だけ指摘されたら過剰に意識し、話す事を嫌ってしまうからです。
2 話を最後まで聞いてあげる
周りの人が吃音の症状を治すことばかり気にして、話を途中でストップさせていませんか?一番大切なのは話すことの楽しさであり、コミュニケーションです。子供はどもっていても一生懸命話しているので話を最後まで聞いてあげて下さい。
3 心境の変化に気付いてあげる
吃音の原因はハッキリと明確化されていません。しかし不安や緊張といった心理的ストレスや、幼稚園入園や兄弟が生まれるなど環境の変化でも吃音症状が出ると言われています。まずは心理的ストレスや環境の変化が子供に負担となっていないか様子を見てあげてください。
親が気を付ける事とは?
吃音症状のある子供の一番身近な存在は親です。我が子がどもっていたら言い直しをさせたり、「○○でしょ!」とつい指摘したくなりますね。でも少し我慢してみて下さい。どもっていても指摘せず、最後まで子供の話を聞いてみましょう。
吃音を意識することなく、月日が経てば自然に治るケースも多いのです。それよりも子供とたくさん話してコミュニケーションをとりましょう。
また、環境の変化で心理的ストレスを受けているようならストレスを取り除いてあげましょう。例えば、甘えさせてあげる事や抱きしめてあげる事など色々あると思います。大人が環境の変化に影響を受けるように、子供は大人より影響を受けやすいのです。
子供が小学生くらいになっても吃音が治っていない場合があります。その頃になると子供本人も自分で自覚するようになっています。場合によっては話す言葉を探したり、話す事自体を避けたりしてしまいます。周りの環境によってはいじめに繋がってしまうこともあります。親は子供が吃音で悩んでいないか気にかけ様子をみてあげて下さい。専門の医療機関での治療もあるので相談してみるのもいいと思います。
さて、吃音改善のために幼児から出来ることについて書きましたがいかがでしたか?無理に言い直しをさせず、ゆっくり焦らず子供を見守ってあげて下さい。それが一番の治療法かもしれませんね。