「ほぼほぼできてます」っていうのを聞くと、できてるのか、できてないのかちょっとはっきりしないですよね。でも最近ビジネスでも使われることがあるようです。一体、どういう意味なのでしょうか?
ほぼほぼって本当に正しい日本語なの?と思って調べていると…政治家や評論家などのえらい人も普通に使っていますね。
「ほぼほぼ」と「ほぼ」って何が違うんでしょうね。
たまに「ほぼほぼできてます」って耳にしますが、「ほぼできてます」じゃだめなの?と個人的には思います。
「ほぼほぼ」だとなんか自信なさげに聞こえるというか…。
ほぼほぼの意味とは
仕事の進捗度でいうと「ほぼ」は90%、「ほぼほぼ」は95%という記事が…
(2016年6月30日朝日新聞「『ほぼほぼ』、ほぼほぼ定着?新表現から見える今とは…」)
一方、「出来上がりの80~90%以上をさす場合もあれば、50%以下を指して使う場合もある」
という記事も…!
(2013年9月21日マイナビニュース「つい使っちゃうビジネス用語「ほぼほぼ」- どんな風に使ってる?」)
マイナビニュースのほうに掲載されているほうが3年ほど前なので、もしかしたら3年間の間にほぼほぼできている=95%できているという意味になってきたのかもしれませんが…
ほぼほぼに語源はあるの?
ほぼほぼの語源というか、親戚にあたりそうなのが「ほぼ」って言葉ですが、あえて「ほぼ」のほかに「ほぼほぼ」って言葉が存在するのはなぜなんでしょうか?
先ほどの朝日新聞の記事を読み進めていくと、「ほぼほぼ」が確認された最古の例は1998年のインターネットのブログからだとあります。
そして2013年12月に出版された『三省堂国語辞典 第7版』にも「ほぼ」の注釈で「俗に、重ねて使う」と「ほぼほぼ」についても言及されているようです。
「ほぼ」の注釈で出てくるということは、「ほぼほぼ」は「ほぼ」の親戚であり、世間でもみんなが頻繁に使っているうちに定着してきた言葉…というふうに考えてよさそうですね。
使い始めると癖になる?
「ほぼほぼ」ってとても便利な言葉だともいます。例えば「ほぼほぼ大丈夫」という場合、「ほとんど大丈夫だけれど、絶対とは言い切れない」というニュアンスがあるからだと思うからです。
「ほぼほぼ」という言葉を仕事の進捗を答えるときなどに使うと聞いて、自分はこれでいいと思っても相手の反応が読めない、予想できないときに「ほぼほぼ」を使うのは確かに便利だなと思いました。私もよく「ぼちぼち」って言葉を使いますから…笑。
「ほぼほぼ」って言葉は、誰にでも使っていい言葉なのかどうかは微妙ですよね。
ビジネスでも使われているという記事を目の当たりにしたときは「え、この言葉が??」と意外でした。
生まれたときから当たり前のように使っていた言葉ではないですし、なにより「ほぼほぼ」が最初に確認されたのも1998年だというあたり20年近くたっているとはいえ、割と最近の言葉のような気がします。
言葉の使い方が気になる人の前で使うと「ほぼほぼとは結局どっちなのかね?」とかえって白黒つけるように切り込まれてきそうです。
使うのもケース・バイ・ケースなのかもしれませんね…。
まとめ
結局のところ、「ほぼほぼ」って一体なんなんでしょう。笑
最近多くの人が使っている「ほぼほぼ」という言葉のうらには、「ほぼ」という言葉を強調することで自分の意見を断言することを避けているような気がします。悪くいうと自分に及んでくる責任を回避する、自分の言い逃れができる余地も残しておくというようにも印象すらあります。
でも自分のほうに責任が及んでくるのを避けたいというのは誰でもそうだと思います。
私もそうです(笑)
「ほぼほぼ」という言葉が使われている裏には、単にみんな使っていて便利な言葉だから以外にも、「断言はしたくないけれど、自分はこう思う、自分はこうだ」という意思表示でもなるんじゃないかなと思いました。