前回は吃音の症状や効果的な治療について書きました。少しは吃音という症状について理解して頂けたかと思います。自分は吃音なのか悩んでいる方や、またどの程度の症状なのか気になる方も中にはいると思います。
今回は自分でできる吃音のチェック方法や医療機関で行われるチェック法について書いていきます。気になる方は必見ですよ。
自分でできる吃音チェック
吃音には症状の程度があります。今回は【吃音ではない、軽度、中度、重度】の4段階に分けて紹介します。自分の症状が重度だと分かっても落ち込むことはありません。吃音は軽度だから治りやすい、重度だから治りづらい、という事は全く無いからです。
一番大切なのは自分が吃音なのか、またどの程度の症状なのかを知り、治療に役立てる事だと思います。では、今すぐ自分でできる吃音チェック項目をいくつか紹介しますね。当てはまるものはありますか?
吃音ではない(症状が完治した)
・会話をする時、全く不安がなく言葉がスムーズに出てくる
・緊張や不安要素があっても、通常通り話ができる
・人前でも言葉が詰まらず話せ、単語や名詞も正確に話すことができる
・どんな状態においても安定して話ができる
軽度の吃音
- 原稿を読むのはスムーズだが、日常の会話で言葉が詰まることがある
- 決まった言葉で詰まってしまう(苦手な言葉がある)
- 苦手な言葉を避け、言いやすい言葉を選び会話している
- 電話で話すと緊張してしまい、不自然な間が空いてしまう
中度の吃音
- 苦手な言葉が常に頭から離れない
- 家族や仲の良い友人との会話でも言葉が詰まってしまう
- 静かな場面で電話をするのが苦痛である
- 質問されると焦ってしまい言葉が出てこない
重度の吃音
- 話す時に体や顔に力が入ってしまう
- 自分ひとりで朗読をしても言葉が詰まってしまう
- 話をする前に意識的に息を吸い込んで落ち着いてから話そうとする
- 人と会話をすることが苦痛で疲労感がある
いかがでしたか?これはあくまでセルフチェックなので参考程度にしてください。
医療機関でのチェック法
セルフチェックでは不安という方は医療機関でチェックしてもらうことをお勧めします。医療機関では一般的に、100語の言葉の中でどれだけの言葉が詰まってしまったり、どもってしまったかを判断します。話した言葉のうち吃音の割合を%で表しています。
軽度 | 5%以下 |
軽度~中等度 | 5%~10% |
中度 | 10%~15% |
中度~重度 | 15%~20% |
重度 | 20%以上 |
重症度は主にこの5段階で表されます。重度の20%以上は100語のうち20語以上どもったということになります。ですがこのチェックも自分の症状を知るだけのものです。先ほども書きましたが、軽度だからや重度だからと言うことではありません。
周りに吃音の人がいたら?
吃音について知識がある場合は周りに吃音の人が居たら、接していくうちに症状に気付くことがあると思います。吃音について知識がなくても会話などで違和感を感じるかもしれませんね。
どうですか?あなたの周りには吃音チェックで書いた項目に該当する人はいますか?もしいたとしても、強制的に病院を進めたり治療を進めるのは避けた方がいいと思います。
吃音は本人が一番分かっている事ですし、治療を始めたからといってすぐ効果がみられる症状ではありません。周りに吃音の人がいたら温かく見守る気持ちと、何か相談されれば一緒に考えてあげましょう。
さて今すぐできる吃音のチェック法について書きましたが、いかがでしたか?自分が吃音なのか、またどの程度の症状なのか不安に思っていた方の目安になったかと思います。自分の吃音の重症度をよく理解し治療に役立ててもらえたら嬉しいです。