最近、テレビでよく異常気象のニュースを耳にします。爆弾低気圧もその1つで、その名の通り爆弾のように勢力の強い低気圧です。爆弾低気圧の影響で河川の氾濫や家屋の倒壊など被害が大きいのも特徴です。
でも「あれ?爆弾低気圧って台風と似ている。どこが違うの?」と思ったあなた。実はハッキリとした違いがあるんですよ。
今回は爆弾低気圧と台風の違いを原因やメカニズムを交えながら書いていきます。2つの違いを知ることで、天気について詳しくなっちゃいましょう。
爆弾低気圧と台風の決定的な違いとは?
爆弾低気圧と台風の違いはズバリ“発生する場所と発生する原因”です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
発生する場所
爆弾低気圧は陸地でも海上でも条件が揃えば発生します。それに比べて、台風は海上のみで発生します。発生した台風は移動し陸地に上陸はしますが、発生は海上のみというわけです。
発生する原因
爆弾低気圧は暖かい空気と冷たい空気の混ざり合おうとしてできた温帯低気圧が急速に発達したものです。温帯低気圧は温帯気候の地域ならどこでも発生するため、日本でも発生するという事なのです。
それに比べ台風は海水が急激に温まって蒸発し、上昇したエネルギーが渦をまいてできた熱帯低気圧が発達したものです。
ポイントをおさらいしてみましょう。
- 爆弾低気圧は陸地と海上、どちらでも発生する
- 台風は海上のみで発生する
- 爆弾低気圧は暖かい空気と冷たい空気でできている
- 台風は暖かい空気のみでできている
爆弾低気圧とは?
爆弾低気圧のメカニズムは先ほども書きましたが温帯低気圧が急速に発達することです。温度差があればあるほど勢力を増していきます。
爆弾低気圧は暴風や大雨、高波、大雪をもたらし、急速に発達することから対応が遅れ大きな被害に繋がる事もあるのです。また日本では10月から1月頃の冬の寒い時期と2月から3月頃の春一番の時期に多く発生しています。
その“爆弾低気圧”という言葉、実は正式名称ではないのは、知っていましたか?
分かりやすい表現としてのメディア用語なので天気予報では「急速に発達した低気圧」という表現をしています。
そんな気象庁では中心気圧が爆弾低気圧を24時間で24hPa以上発達する低気圧と定義化されています
台風とは?
台風のメカニズムは先ほども書きましたが熱帯低気圧が発達することです。少し詳しく解説していきますね。
- 太陽の熱で海水温が26℃以上に上昇すると水蒸気が発生する
- 水蒸気が上空で冷やされると水になる
- 水になる時にたくさんの熱を放出し周りの空気を温める
- その繰り返しで大きな渦ができ熱帯低気圧が発生する
この熱帯低気圧の中心付近の最大風速が17.2m/s以上になると台風と呼ばれます。日本に台風が上陸するのは太平洋高気圧が弱まった8月~9月が一番多いです。台風が上陸しやすい環境なんですね。
しかし台風自体は一年中発生しているんですよ。知っていましたか?季節風の関係で8月~9月以外は日本を避けて進んでいきます。
まとめ
さて爆弾低気圧と台風の違い!原因やメカニズムについて書きました。ポイントをおさらいしてみましょう。
- 温帯低気圧が急速に発達したものを爆弾低気圧と呼ぶ
- 熱帯低気圧が最大風速17.2m/s以上になると台風と呼ぶ
- 日本では爆弾低気圧は10月~3月に発生しやすい
- 日本では台風は8月~9月に上陸しやすい
ポイントとしてまとめてみましたがいかがでしたか?爆弾低気圧と台風、それぞれの特徴や違いについて分かってもらえたと思います。
しかしどちらも暴風や大雨をもたらし、家屋の倒壊や河川の氾濫など大変危険です。早めに対策をし、大荒れの天気の際には外に出ないようにしましょう。